ハッピナブログ

ハッピナ

さてさて

うえだ淳だ。
何の話をしてたっけ?そうそう、こないだの公演…「オーバー・ザ・レインボー!!」の成り立ちについての話だ。
とにかく、恩田陸の「麦の海に沈む果実」を読んだ影響で、耽美な学園ミステリーに挑戦しようとして挫折したインチキ脚本家うえだ淳、困りに困ったある日、一冊の文庫本を読んで大ショック。
なんやこれ、めっさおもろいやないけ。
影響されやすい男・うえだ淳は、早速影響されてしまう事にした。その本も、恩田陸の作品と同じような学園ミステリーではあったが、作品の方向性はまるで違っていた。とにかくくどいくらいに立ちまくったキャラクタ達が、んな阿呆な、と思うよーな展開を愉快痛快怪物くんのごとく繰り広げる、はっきり言って非常にオモチロイ作品なんであった。
その本の作者は田中啓文という、関西の作家さんで、とにかくいろんなジャンルの愉快な作品を書かれるかたで、えげつないホラーから(本当に、えげつない、という言葉がしっくりくるえげつなさである)、とんでもないSF(とんでもない、としか言いようがないネタばかりである)、そして本格ジャズミステリーから人情落語もの、とにかくなんでんかんでん書くかたで、どの作品にも差し挟まれる、脱力感まるだしの洒落が、恐ろしいまでの魅力となっておるのだ。
洒落好きなのは、「蹴りたい背中」とゆう小説が芥川賞をとってベストセラーになった後、「蹴りたい田中」とゆう阿呆なタイトルの作品を出された事でよくわかる(ごていねいに、本の帯にはでっかく「茶川賞受賞」などと書いてあった。ぼくも昔は芥川賞をちゃかわしょうだと思うていたなぁ)。
まぁとにかく、恩田陸から田中啓文にシフトしてしまったのである。本好きのひとからしたら、なぜにそんな方向転換を!?と驚愕されるかもしれんべや。
書くべき道さえわかれば、あとは書くだけ。かくして右往左往しつつ、脚本を書いたのである。あぁ、やっぱ、こーゆーハナシを書く方がたのしいわぁ、みたいな雰囲気で、それなりに苦労はしつつ、脚本は仕上がり、個性的な役者たちの手によって、こないだのようなしっちゃかめっちゃかで愉快な芝居(になったぜ、と、書いた本人は自負しているのであったわけだが)が出来上がったのだった。ばばん、ばんばんばばん。
まぁ所詮、脚本なんざ演技の前段階にしかならんもの。面白いかどーかなんて、役者&演出にかかってきます。書き終わりがはじまりだ。
てなわけで(どんなわけかいな)、稽古期間に役者たちと、なんやかんや、てんやわんやありまして、本番、皆様にお披露目したわけでありましたのです。いつも、こんな感じだ。
それではこのへんで。
またいつか。